副業詐欺の返金方法|支払方法別の手順とクーリング・オフの可否

※2026年10月5日時点の法令と公的機関の資料をもとに整理しています。個別の事案への法的助言ではありません。当社は返金の代行・交渉を行いません。

払ってしまったお金に、まだ手が残っているかどうかは「どう払ったか」と「いつ契約したか」でほぼ決まります。このページは、それを支払い方法ごとに確かめるためのものです。

① 自分の支払方法を表で探す

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どう払ったか 今日連絡する先 できること
カード一括払い カード会社 調査の申出。②へ
カード分割・リボ カード会社 これから払う分を止める。②へ
個別クレジット(ローン) 信販会社 これから払う分を止める。②へ
銀行振込 振込先の銀行と警察 口座が凍結されれば残高まで。③へ
コンビニ払い・後払いアプリ 決済代行会社 未払いなら請求を止める交渉
電子マネー・ギフト券の番号を伝えた 発行会社と警察 取り戻す制度がない
暗号資産・海外送金 交換業者と警察 取り戻す制度がない

カードで払った人がいちばん手が残っています。お金がまだカード会社の手元にある可能性があるからです。暗号資産と電子マネーは、送った時点で相手が使える状態になっています。

② カード払いの人が、電話でそのまま言える文例

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カードで払った場合は、相手ではなくカード会社に連絡します。やることは「広告と違うものが提供された」と伝えて、支払いを止めてもらう手続きです。カード会社ごとに様式も期限も違うので、覚えるのは「言うこと」と「聞くこと」だけにしてください。どの会社でも中身は同じです。

電話で言うこと

カード裏面の番号にかけて、次の3つを順に伝えます。

  1. 「◯月◯日に、◯◯(相手の名前)で◯◯円の決済をしました」
  2. 「広告や説明と、実際に提供されたものが違います」
  3. 分割・リボ・ローンなら「支払停止の抗弁を申し出たいので、書類を送ってください」。一括払いなら「加盟店との取引内容について、調査の申出をしたいです」

必ず聞くこと(これを聞けばどのカード会社でも進みます)

  1. この取引は支払停止の抗弁の対象になるか
  2. 申出書の様式と送付先
  3. 申出の期限はいつまでか
  4. 申出をしたあと、毎月の請求はどうなるか
  5. 信用情報への影響はあるか

手元に用意するもの

  • カード番号・決済日・金額・相手の名前
  • 広告とランディングページのスクリーンショット
  • 契約書・利用規約・申込画面
  • LINEやメールのやり取り(金額を提示された場面と、返金を断られた場面)

対象にならない金額だけ決まっています

支払方式 申し出られない場合
カード・個別クレジット 支払総額が4万円未満のとき
リボルビング・ローン提携販売 現金価格が3万8千円未満のとき

副業商材の高額契約はたいていこの金額を超えます。なお支払停止の抗弁は「契約を解除できる権利ではなく」、問題が解決するまで「支払いを停止する権利」です(割賦販売法第30条の4)。すでに払った分が自動で戻る制度ではありません。

期限は法律で決まっていません。「決済から60日まで」などと書いているサイトがありますが、申出の期限はカード会社ごとに違います。自己判断で諦めず、今日電話してください。

出典:日本クレジット協会|クレジットで購入した商品が届かない

③ 銀行振込の人は、早さがそのまま金額になる

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振込先の口座が凍結されれば、残っている残高を原資に一部が戻ることがあります(振り込め詐欺救済法)。金融機関が口座を凍結し、預金保険機構のサイトで公告をしたあと、被害者からの支払申請を受け付ける流れです。

  • 戻る上限は、凍結された時点の残高です。引き出されていれば戻りません
  • 申請先は振込先の金融機関(預金保険機構が直接受け付けるわけではありません)
  • 現金持参・電子マネー・暗号資産は対象外です

出典:預金保険機構|振り込め詐欺にあったら、同 Q&A

④ 何日経ったかで、できることが変わる

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経過 できること
気づいた直後 カード会社・銀行へ連絡。証拠の保存
8日以内 電話勧誘販売・訪問販売のクーリング・オフ
20日以内 業務提供誘引販売取引・連鎖販売取引のクーリング・オフ
1年以内 消費者契約法による取消し(追認できる時から1年)
5年以内 同上(契約締結時から5年で消滅)
いつでも 188への相談、警察への申告、少額訴訟

起算日は「契約日」ではなく「法定の書面を受け取った日」です。事業者には概要書面と契約書面の交付義務があり(特商法第55条)、書面をもらっていなければ、20日はまだ始まっていないと主張できます。相手が事実と違うことを告げたり威迫したりしてクーリング・オフを見送らせた場合も、期間を過ぎてもできると消費者庁が明示しています。

⑤ クーリング・オフできるかは「どう申し込んだか」で決まる

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買ったものの種類では決まりません。自分がどれに当てはまるかを下の表で探してください。

こういう申込みだった 取引の形 期間
「仕事を紹介する・収入が得られる」と言われ、その仕事に必要だとしてお金を払った 業務提供誘引販売取引 20日
相手から電話がかかってきて、電話やZoomの勧誘で契約した 電話勧誘販売 8日
喫茶店やレンタルスペースに呼び出されて契約した 訪問販売 8日
「紹介すると報酬が入る」仕組みが入っていた 連鎖販売取引 20日
LPやLINEから自分で申し込んだだけ 通信販売 制度なし

副業商材でまず見るのは1行目です。名前は難しいですが、中身は「仕事をあげるから先に払って」という昔からの内職商法と同じ型です。消費者庁は業務提供誘引販売取引を「業務提供利益が得られると相手方を誘引し、その者と特定負担を伴う取引をするもの」(特商法第51条)と定義し、内職商法・モニター商法を例に挙げています。金額の下限はありません。通知は書面でもメールでもできます。

よくある2つの誤解を、先に外しておきます。

  • 「通信販売だから8日以内なら返品できる」→ サービスには使えません。返品の規定(特商法第15条の3)は売買契約が対象で、スクール・サポート・コンサルのような役務は含まれません
  • 「5万円超の継続サービスだから中途解約できる」→ 副業スクールは対象外です。特定継続的役務提供はエステ・美容医療・語学教室・家庭教師・学習塾・結婚相手紹介・パソコン教室の7業種だけです

期間が過ぎていても「取消し」が残る

こう言われて契約した 根拠
実績・サポート内容・返金条件の説明が事実と違った(不実告知) 消費者契約法第4条第1項
「必ず稼げる」「月◯万円は確実」と言われた(断定的判断の提供) 消費者契約法第4条第1項
追加費用・解約手数料・出金条件を伏せられた(不利益事実の不告知) 消費者契約法第4条第2項

特商法側にも同じ趣旨の取消しがあります(業務提供誘引販売は第58条の2、電話勧誘販売は第24条の3、通信販売は第15条の4)。「絶対に稼げる」という売り文句は、取消しを主張する材料になります。だから広告とトーク履歴のスクリーンショットを残してください。

出典:消費者庁|業務提供誘引販売取引、電話勧誘販売、通信販売、特定継続的役務提供、国民生活センター|クーリング・オフ、消費者契約法逐条解説

⑥ 当社が調べた34件では、返金条件はこう書かれていた

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案件ごとに特定商取引法に基づく表記を1件ずつ表にまとめた34件の集計です。返金・返品・解約に触れた行があったのは18件だけで、残る16件は項目そのものがありませんでした。

書かれていた内容 件数 実例
返金に応じない旨を明記 6件 ストックレンズ「原則として返品・返金には応じておりません」
記載が確認できない・項目がない 6件 ラストアンサーは項目自体がなく、ChatGPT道場は「受講契約書第7条を参照」とだけ
返金をうたうが条件が極端に狭い 2件 ワークのフルーツは書籍代金のみ・30日の作業とスクショ3種が条件。REDは中途解約に料金の60%の手数料
費用負担がなく返金の概念がない 2件 マクロミルをかたる案件、黒ユキFX
成果不達による返金は規定なし 1件 億のマスタープログラム
途中解約を認めない 1件 IZAKA-YA

申込前の方へ:返金条件を文字で答えてもらってください。34件のうち22件は、表記を読んでも返金できるかどうか分かりませんでした。通話で「大丈夫です」と言われたことは、あとから確かめられません。

すでに払った方へ:事業者の表示を信じ込まないでください。特商法表記に「クーリング・オフ 該当しない」と書いていた案件(RED)や、「通信販売のためクーリング・オフの適用はない」と明記していた案件(Investor AI)がありました。⑤の1行目に当てはまるなら、20日間が成立しうるという評価は別途必要です。

⑦ 窓口はこの順に使う

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窓口 できること・条件
1. 188(消費生活センター) 無料。事業者との間に入る「あっせん」をしてくれることがある。土日祝の窓口もある
2. 国民生活センターADR あっせんで解決しない場合の、裁判外の和解の仲介
3. 法テラス 収入と資産が基準以下なら相談無料・1回30分・同一案件3回まで。弁護士費用の立替もある
4. 弁護士・認定司法書士 交渉の代理ができるのはこの2者だけ。認定司法書士は140万円以下の簡裁事件まで
5. 少額訴訟 60万円以下・原則1回の審理・同じ裁判所に年10回まで。支払督促は手数料が半額
6. 警察 #9110 緊急でない相談。悪質商法の窓口として警察庁が案内。被害届・口座凍結もここが絡む

内容証明は「出したことを証明する」書類で、それ自体に支払いを強制する力はありません。クーリング・オフの通知を出した証拠としては有効です。

⑧ 「返金します」と近づいてくる相手がいちばん危ない

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一度支払った人の連絡先には、別の相手から「お金を取り戻せます」という連絡が来ます。ここで二度目のお金を失う人がいます。

消費者庁が注意喚起している手口は3つです。

  • 「返金を受けるには、別の投資商品を購入する必要がある」
  • 「国の救済制度により返金を受けられる」
  • 「返金手続を代行する」

金融庁は、公的機関を装う名称として「預金保険事務局」「国民経済保険機構」「犯罪被害回復機構」が使われていると公表し、こう明記しています。

「振り込め詐欺救済法に基づく支払手続に関連して、預金保険機構が被害者に対して金銭を要求することはありません」

そして「返金代行」をうたう無資格の業者に頼めない理由が、法律に書いてあります。弁護士法第72条は、弁護士・弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、交渉や和解を業として行うことを禁じています(認定司法書士のように他の法律に定めがある場合を除く)。依頼すること自体が、法が禁じた行為を頼む形になります。

当社も同じ理由で、返金の代行・交渉はしません。その代わり、無料で相談できる公的な窓口が⑦にあります。

出典:消費者庁|投資系トラブルの二次被害、金融庁|返金制度を装った詐欺行為、国民生活センター|名称を悪用する返金詐欺業者、消費者庁|SNSのもうけ話

よくあるご質問

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契約書面をもらっていません。20日を過ぎたらもう無理ですか。

いいえ。期間は書面を受け取った日から数えます。事業者には書面の交付義務があるので(特商法第55条)、もらっていなければ起算点がまだ成立していないと主張できます。相手の説明や態度が原因で手続きを見送っていた場合も、妨害があったときの救済に当たる可能性があります。いつ何を渡されたかを時系列で書き出して、188へ。

広告に「返金保証」と書いてあったのに応じてもらえません。

その広告の画面を保存してください。当社が調べた案件には、返金の対象を代金の一部だけに絞り、作業日数と提出物を細かく条件にしていたものがありました。「返金保証」という言葉と、実際に適用される条件は別物になりがちです。広告の表示と契約書の条件が食い違っているなら、不実告知や誇大広告(特商法第12条)の問題として相談できます。

「必ず取り戻せます」という業者から連絡が来ました。

断ってください。「必ず取り戻せる」と言い切れる相手はいません。弁護士・弁護士法人でない者が報酬目的で交渉を業として行うことは弁護士法第72条で禁じられています。預金保険機構が被害者に金銭を要求することはないと金融庁が明記しています。依頼先を探すなら、法テラス経由で弁護士・認定司法書士へ。

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